鋼材技術コラム
平鋼の曲げ特性について解説!
- 平鋼
平鋼の特徴
平鋼とは、「フラットバー」や「平鉄」などとも呼ばれる、四面を熱間圧延した厚板よりも小形の板材のことを指します。 平鋼の特徴としては、指定の幅・サイズでの調達が可能であるため、切断加工の工程が不要となる点が挙げられます。また、切断が必要な場合であっても、基本的に鋸切断となるため、熱が入らず、反り・歪みの発生が抑えることが可能です。
※平鋼については下記コラムにて詳しく解説しておりますので、是非ご確認ください。
平鋼は加工性が高い?平鋼調達・加工におけるポイントをご紹介!
平鋼の曲げ特性
平鋼の長方形の形状を成型する圧延工程では、伸延方向への一方通行にて圧延加工されます。そのため、下図の通り、 平鋼には木材で言う”木目”が存在します。これにより、加工方向によって機械的性質が異なる場合があるため、曲げ加工においてはこの木目( 伸延方向 )を考慮する必要があります。
例えば、この木目(伸延方向 )と”平行”に曲げ加工を行う場合は、木目に沿って押し曲げられる力が加わるため、割れが非常に発生しやすくなります。一方で、木目に対し”垂直”に曲げ加工を行う場合は、割れが発生しにくく、十分な強度を保つことが可能となります。
平鋼の曲げ加工事例
平鋼 FBフランジ曲げ
通常当製品のような形状を製作するためには、レーザーによる切板加工が用いられますが、レーザーにより切断し熱を入れると反り・歪みが発生します。そこで当社は、平鋼への曲げ加工による製作をご提案いたしました。平鋼に曲げ加工を施すことで、反り・歪みが発生せず綺麗な形状での製品製作を実現しました。さらに、レーザー加工と比較すると、無駄な材料が発生しないため、歩留まりの向上も併せて実現いたしました。
平鋼 横曲げ加工
当製品は、鋼板からの切断により製作するとレーザー切断→表面処理→曲げ加工の3工程が必要でした。また、切断時に熱が入る為、製品に歪みが出る恐れがございました。そこで、製鋼メーカーにて指定長さの平鋼を調達し、表面処理を行いました。その結果、工程短縮によるコストダウンを実現しました。さらに、歪みの発生も防止することができ、お客様に大変満足頂きました。
平鋼・異形平鋼に関することなら鋼材加工技術Naviまで!
いかがでしたでしょうか。今回は、平鋼の曲げ特性についてご紹介しました。
鋼材加工技術Naviを運営する丹羽鋼業株式会社には、平鋼をはじめとした各種鋼材を豊富に取り揃えております。お客様の多岐にわたるニーズに対してこれら様々な鋼材をもって貢献することができています。当社の平鋼をはじめとした各種鋼材への圧倒的なノウハウでお客様の課題解決を実現しますので、鋼材に関するお悩みは是非当社にご相談ください。