鋼材技術コラム
平鋼にはどんな鋼種があるの?詳しく解説!
- 平鋼
平鋼・異形平鋼とは?
平鋼とは、「フラットバー」や「平鉄」などとも呼ばれる、四面を熱間圧延した平坦な鋼材のことを指します。平鋼は、厚さ・幅ともに様々なサイズがありますが、一般的に流通している平鋼は、厚さ3mm以上、幅400mm未満となります。
(※一般的にはあまり流通していませんが、お客様のご希望に沿った形状で生産することもでき、そうした平鋼は”異形平鋼”と呼ばれます。異形平鋼は、台形や六角・凸型・凹型など様々な断面形状のものがあります。)
平鋼活用のメリットについては下記記事で詳しく解説しておりますので、是非ご確認ください。
>>平鋼・異形平鋼とは?平鋼活用のメリットを解説!
また、平鋼・異形平鋼の調達・加工におけるポイントについては下記記事で詳しくご紹介しております!
>>平鋼は加工性が高い?平鋼調達・加工におけるポイントをご紹介!
平鋼・異形平鋼の鋼種をご紹介!
一般的な鋼種として、SS400をはじめとしたSS系、SM系、SN系、特殊鋼として、SC系が主な鋼種として市場に流通しております。その他メーカーごとに独自の鋼種を設けたりしておりますが、ユーザー専用の材料として製造されております。今回は、市場性を加味した上で、平鋼の鋼種をご紹介します。
SS系
一般構造用圧延鋼材(JIS G 3101)に定義されているSS系の平鋼は、引張強さを基準としたSS400、SS490、SS540等がありますが、一般的にはSS400のみが市場性があります。
SS490、SS540についてはユーザーからの希望があったときのみ製造されます。ちなみに、SS系は一般的に最も流通している鋼種であり、鋼材といえばSS400をイメージされる方も多いです。
SM系
溶接構造用圧延鋼材(JIS G 3106)に定義されているSM系の平鋼は、SM400A、SM400B、SM400C、SM490A、SM490B、SM490C、SM490YA、SM490YB、SM520B、SM520C、SM570等があります。
SM系は、溶接を前提とした鋼種であり、基本的にユーザーからの希望があったときのみ製造されます。SS400では強度が足りない場合、SS490やSS540を使用したいところですが、溶接性が悪くなる傾向があるので溶接性に優れたSM490やSM540が使用する事を推奨します。
SN系
建築構造用圧延鋼材(JIS G 3136)に定義されているSN系の平鋼は、SN400A、SN400B、SN400C、SN490B、SN490C等があります。
SN系はSM系と同様に市場にあまり出回っておらず、ユーザーからの希望があったときのみ製造されます。SN系は、主に建築用に使用される鋼材であり、溶接性と強度を兼ね備えています。SN系はSM系をさらに厳格管理したものとなります。
SC系
機械構造用炭素鋼鋼材(JIS G 4051)に定義されているSC系の平鋼は、炭素量によってS○○Cと分類されます。(例:S25C、S50C)SC系は削ることを前提として使われる鋼種です。S15C、S20C以上だと焼きが入りやすく、S35C以上は熱処理を前提に製造されている鋼種となります。一般的に、平鋼ではS50Cのみしか流通していません。
上記でご紹介した鋼種が市場に流通している主な平鋼の鋼種となります。もちろんこれら以外にもSUP(ばね鋼)等、様々な鋼種がありますので注意が必要です。
平鋼・異形平鋼に関することなら鋼材加工技術Naviまで!
いかがでしたでしょうか。今回は、平鋼の鋼種についてご紹介しました。
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